ランチェスター経営ジム

岡 漱一郎の
戦略コラム
2024. 03

知識の鵜呑み

「応用」という言葉があります。意味は、原理や知識を実際的な(または他分野の)事柄にあてはめて利用することです。

しかし、この応用する力が弱いと、どれだけ知識を習得しても全く使い物になりません。何故なら、応用力が弱いと最初に学んだパターンから抜け出せず、違うパターンが来ると、全く違うものに見えてしまうからです。

これでは毎回、「これは何ですか?」という質問を繰り返すことになります。実はこれ、学んだ知識の本質を理解していないから、どれだけ経っても応用に結び付かないのです。

まさに教科書を棒読みで覚えた状態とも言えます。「鵜呑みにする」と同じで、ウが魚を噛まずに丸飲みにする姿から、人から言われたことをよく考えず採り入れる事を意味します。

また、応用が出来ない人の共通点としては、「答えは一つ」という概念が非常に強いように思えます。何を学んでも、「それが絶対の答え」ととらえてしまうので、それ以外は不正解と認識してしまいます。

「中小企業は弱者の戦略しかやってはいけない」、このような考え方も典型的な応用力の弱さを示しています。(これには教える側の責任もありますが・・・)

ランチェスター戦略は鵜呑みでは使い物になりません。初めて習得した知識は、数ある答えの中の一つだと認識して下さい。

岡 漱一郎

岡 漱一郎株式会社ハードリング

1962年生。岐阜県大垣市出身、愛知県名古屋市在住。
ランチェスター経営戦略と孫子の兵法を駆使する経営コンサルタント。全国20カ所で毎月勉強会を開催し、指導を受ける経営者は400人を超える。その活動がNHK「クローズアップ現代」で取り上げられ、また建築業界誌「建築知識ビルダーズ」にて「経営戦略ジム」の連載を受け持つ。
また、豊臣秀吉の最初の軍師 竹中半兵衛の家臣(竹中十六騎)、その末裔にあたる。

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