ランチェスター戦略と孫子の兵法は、よく似ています。それは誰でも学ぶことは出来ますが、誰でも駆使できるとは限らないからです。
「生兵法は怪我の元」という言葉があります。浅い知識量で実行すれば、かえって危ないという意味です。熟知した敵の武将に簡単にやられてしまうからです。
つまり、浅い知識量では応用が出来るレベルでは無いということです。知っていることと、使えることは別物なのです。
ランチェスター戦略も同じで、学んでも応用する柔軟性が無ければ、「生ランチェスターは怪我の元」になってしまいます。
だから素晴らしい経営論でありながら、なかなか普及しないのは、生ランチェスターで終わってしまう人が多いからです。
応用が出来ないと、ランチェスター戦略と言えども、結果は出ないのです。逆に応用できた人は、抜群の成果を上げています。
応用とは独自の理論展開の領域に辿り着くことです。抜群の成果を出した人たちは、決してランチェスター戦略を鵜呑みにしていないのです。
これは、ランチェスター戦略を疑っているということではありません。既にここでも柔軟性が問われているのです。疑うのではなく、その理論の意味を理解せず、鵜呑みにしないよう、注意を払っているのです。
理論の鵜呑みは、全く応用が効きません。教わったパターンにならなければ使えない理論では、現実的な経営の世界では無用の長物です。
「中小企業は弱者の戦略」、これなどは典型的な鵜呑みではないでしょうか。