ランチェスター経営ジム

岡 漱一郎の
戦略コラム
2021. 03

ブルシット・ジョブ

昨年、アメリカの人類学者、デェビット・グレーバーが書いた「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」という本が話題になっています。

ブルシット・ジョブとは、「本人でさえ正当化できないくらい完全に無意味・不必要で有害でもある有償の雇用の形態であるが、本人はそうではないと取り繕わなければならないように感じている仕事」のことを指します。

簡単に言えば、「その仕事って、必要なの?」と疑いたくなる仕事を本人でさえ、疑いながらしている仕事のことです。

その仕事に意義も社会性も感じない仕事をやり続けると人は、自分自身の存在意義が見え出せなくなり、孤立感を感じるようになります。

働く人の多くは、多かれ少なかれこの心境を何となく感じているのではないでしょうか。

人は、自分の行動が何かに影響を与えて結果が得られるという広い意味での「仕事」に根源的な悦びを感じるように出来ています。ブルシット・ジョブは、人からその喜びを取り上げる精神的暴力だと言えます。

ブルシット・ジョブを知ることは、仕事の本質、経営の本質に繋がるのではと考えています。この意味を知ることで「意味のある仕事」、即ち、市場のニーズ、お客様のニーズを満たす仕事を見つけ出せる思考を手に入れることが出来ると思います。

岡 漱一郎

岡 漱一郎株式会社ハードリング

1962年生。岐阜県大垣市出身、愛知県名古屋市在住。
ランチェスター経営戦略と孫子の兵法を駆使する経営コンサルタント。全国20カ所で毎月勉強会を開催し、指導を受ける経営者は400人を超える。その活動がNHK「クローズアップ現代」で取り上げられ、また建築業界誌「建築知識ビルダーズ」にて「経営戦略ジム」の連載を受け持つ。
また、豊臣秀吉の最初の軍師 竹中半兵衛の家臣(竹中十六騎)、その末裔にあたる。

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