ランチェスター経営ジム

岡 漱一郎の
戦略コラム
2019. 12

倒産の時代

倒産件数はリアルタイムで分かる景気指標として長年、チェックしています。当たり前ですが、倒産件数は好景気になると減り、不景気になると増えます。

現在、倒産件数はボトム(大底)に来ています。すなわち、好景気のピークです。しかし、大半の中小企業の経営者からすると、「いつ好景気だった?」と思っている人が多いかと思います。

内閣府が定点で観測している「景気動向調査」というものがあります。大企業と中小企業の経営者に分けて「半年後の景気は良いか悪いか」というアンケート調査です。

ゼロベースを基準に、景気が良くなると思う経営者が多ければプラスになり、景気が悪くなると思う経営者が多ければマイナスになる指標です。

大企業は、マイナスの時もあればプラスの時もあり、正に水面下に潜ったり、水面上に浮上したりするようなグラフを長年描いています。

ところが中小企業においては、過去一度も水面上に上がるようなグラフを描いていません。要は常に不景気だと感じている中小企業の経営者が大半なのです。

来年2020年の景気は足踏み、もしくは停滞する可能性があります。ここ数年、業績が悪かった中小企業にとっては少し厳しい年が5年は続きそうです。

逆にここ数年、業績が良かった中小企業にとっては、悪くない環境になるのではと思います。何かで強いモノを持っているか無いかの差が出そうです。

岡 漱一郎

岡 漱一郎株式会社ハードリング

1962年生。岐阜県大垣市出身、愛知県名古屋市在住。
ランチェスター経営戦略と孫子の兵法を駆使する経営コンサルタント。全国20カ所で毎月勉強会を開催し、指導を受ける経営者は400人を超える。その活動がNHK「クローズアップ現代」で取り上げられ、また建築業界誌「建築知識ビルダーズ」にて「経営戦略ジム」の連載を受け持つ。
また、豊臣秀吉の最初の軍師 竹中半兵衛の家臣(竹中十六騎)、その末裔にあたる。

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