ランチェスター経営ジム

岡 漱一郎の
戦略コラム
2023. 02

たまごが先か、にわとりが先か

経済対策は、この論法とよく似ています。昨今の物価高に対する論議が盛んに行われていますが、物価高とは給料との相対関係であって、給料が物価以上に上がっていれば物価高とは本来言いません。

では、給料を上げるにはどうしたら良いか。当然ながら、企業業績が良くならないと給料を上げることは出来ません。

しかし、中小企業などは、そう簡単に今の御時勢、業績を急に上げることは難しいのが現実です。

であるなら、内部留保金を各最高額更新中の大手企業から賃上げを率先して行い、消費を刺激することで中小企業へのトリクルダウンを行ってほしいと私は思っています。

トリクルダウンとは、裕福な者が更に裕福になると、経済活動が活発化します。そうすることで低所得の貧困者にも富が浸透し、利益が再分配されるという経済理論です。

以前、安倍内閣は富裕層と大企業を豊かにして、トリクルダウンを狙いましたが、残念ながらその時は、まだデフレだった為、富は下には降りて来ませんでした。

しかし今回のトリクルダウンの動きは、大企業のサラリーマンの賃上げをすることで、消費を活発化させようとするものです。そして今はインフレとなっているため、内部留保金は何らかに投資をしないと目減りしてしまう経済環境になり、大手企業は人に対して賃上げと言う形で、投資を始めました。

いつの時代も、力のあるものが景気をけん引します。それが結果、力のあるものも救われるのだと思います。

岡 漱一郎

岡 漱一郎株式会社ハードリング

1962年生。岐阜県大垣市出身、愛知県名古屋市在住。
ランチェスター経営戦略と孫子の兵法を駆使する経営コンサルタント。全国20カ所で毎月勉強会を開催し、指導を受ける経営者は400人を超える。その活動がNHK「クローズアップ現代」で取り上げられ、また建築業界誌「建築知識ビルダーズ」にて「経営戦略ジム」の連載を受け持つ。
また、豊臣秀吉の最初の軍師 竹中半兵衛の家臣(竹中十六騎)、その末裔にあたる。

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