ランチェスター経営ジム

岡 漱一郎の
戦略コラム
2021. 06

会うことは目的ではない

コミュニケーションの在り方が、変わってきているように思います。この1年、コロナによってリモートによるコミュニケーションが、半ば強制的に進められてきました。

最初は慣れないせいで、「やっぱり会わなければダメだ!」という声が多かったように思えますが、時間と共に、「リモートで済むものはリモートで」という流れが出来て行きました。

ただ、大事な話は直接会って話したいという欲求は無くならないと思います。しかし、暫くはソーシャルディスタンス(非接触社会)が続くため、直接会う価値は高まっていくのではと思います。

それには、会うに値する仕事、商品、人物になっていなければなりません。以前は相手の都合も無視して、「会うことが営業だ!」と動き回っていた人達は、今では「迷惑」というレッテルを張られてしまいます。会ってからが営業というやり方が難しくなっています。

逆に価値の高いビジネスをしている人達は、コロナ禍になったことで、より業績を伸ばしています。その理由の一つに、直接会うことが目的の営業行為が出来なくなったことで、価値の低い同業者の活動は停滞し、価値の高い会社にお客様の方からアプローチして来ることが増えたからです。

「やっぱり、直接会うことが大事だ!」と思い込んでいる人は沢山います。しかしこれは、会うことはあくまで営業行為という手段であることを忘れてはなりません。大事なのは、お客様が会いたいと思う価値を創り出すことが大事なのです。

ピーター・ドラッガー曰く、「究極のマーケティングは販売行為を無くすことである」

この言葉が全てを表しているのではないでしょうか。

岡 漱一郎

岡 漱一郎株式会社ハードリング

1962年生。岐阜県大垣市出身、愛知県名古屋市在住。
ランチェスター経営戦略と孫子の兵法を駆使する経営コンサルタント。全国20カ所で毎月勉強会を開催し、指導を受ける経営者は400人を超える。その活動がNHK「クローズアップ現代」で取り上げられ、また建築業界誌「建築知識ビルダーズ」にて「経営戦略ジム」の連載を受け持つ。
また、豊臣秀吉の最初の軍師 竹中半兵衛の家臣(竹中十六騎)、その末裔にあたる。

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