ランチェスター経営ジム

岡 漱一郎の
戦略コラム
2025. 01

何で努力するかの差

格差にも様々な格差があります。そもそも「格差」とは、同類のものの間における、程度(水準・資格・等級・価格・格付け、レベル)などの差や違い、とされています。

昨今のニュアンスでは、初期条件の違いからくる不平等な状態、と言えるのではないでしょうか。

例えば、親の収入によって子供の学歴が決まってしまう教育格差。生まれ持っての身体障害による社会格差など、本人の意思とは違うところで、人生に制限が掛けられてしまう状態です。

ビジネスの世界にも「格差」は存在します。一番分かりやすいのが、学歴という格差。

特に大手企業では採用の時点で、「能力の歩留まり率」という視点から、新卒サラリーマンを高学歴順で採用する傾向が強いです。この時点で既に、初期条件による「格差」が生まれています。

では、経営の世界には「格差」はあるのでしょうか。

残念ながら、経営の世界にも「格差」は存在します。その代表格が、先代からの利権商売です。一旦、限られたその業界の公的利権を手に入れると、経営者が変わろうが利権は会社に属している為、競合他社に行くことはありません。

日本は結構な数で、利権商売をしている老舗会社は多いのです。それらの権利が無い同業者とでは、明らかに業績の格差が存在しています。

そんな特例を除けば、経営の世界には初期条件の「格差」など存在しないと思います。全ては経営者の努力次第であり、あとは、何で努力するかの差です。

それは、知恵の努力の差だと思います。

岡 漱一郎

岡 漱一郎株式会社ハードリング

1962年生。岐阜県大垣市出身、愛知県名古屋市在住。
ランチェスター経営戦略と孫子の兵法を駆使する経営コンサルタント。全国20カ所で毎月勉強会を開催し、指導を受ける経営者は400人を超える。その活動がNHK「クローズアップ現代」で取り上げられ、また建築業界誌「建築知識ビルダーズ」にて「経営戦略ジム」の連載を受け持つ。
また、豊臣秀吉の最初の軍師 竹中半兵衛の家臣(竹中十六騎)、その末裔にあたる。

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