ランチェスター経営ジム

岡 漱一郎の
戦略コラム
2019. 06

BtoCからBtoBの時代

経済環境は常に循環を繰り返しています。景気不景気などはその典型です。特に大きく影響を与えるのは20年周期のクズネッツ循環です。

日本は四半世紀に及ぶ不景気から転換し、新た好景気の20年周期にアベノミクスを機会に入ってきました。

好景気は全ての企業にとってありがたい環境であることは確かです。ところがこの好景気に乗れない中小企業は多くいます。

この好景気が中小企業の現場にもたらした最も大きな環境変化は、BtoCが主流の経営からBtoB主流の経営に転換したことです。

バブル崩壊後、仕事量が減り、下請け企業は元請けからの発注単価の引き締めにより、業績を急速に悪化させました。

それを機に下請けでは食べていけないという気運が高まり、脱下請けがブームのようになりました。多くの下請け企業が元請け化に向かいました。

元請け化した元下請け企業はそうして不景気を乗り切ってきました。ところが、経済循環により好景気になった途端、下請け企業向けの仕事量が急速に増えて行きました。

結果、元請けが過剰になり、下請けが人手不足、職人不足も相まって下請けバブルのような状況になってきました。

戦術は戦略に沿うが如く、経営活動は経済環境に沿う、なのです。

岡 漱一郎

岡 漱一郎株式会社ハードリング

1962年生。岐阜県大垣市出身、愛知県名古屋市在住。
ランチェスター経営戦略と孫子の兵法を駆使する経営コンサルタント。全国20カ所で毎月勉強会を開催し、指導を受ける経営者は400人を超える。その活動がNHK「クローズアップ現代」で取り上げられ、また建築業界誌「建築知識ビルダーズ」にて「経営戦略ジム」の連載を受け持つ。
また、豊臣秀吉の最初の軍師 竹中半兵衛の家臣(竹中十六騎)、その末裔にあたる。

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