一般的に中小企業の社長に、「ランチェスター戦略とは?」と質問すれば、「弱者の戦略」と答える人が多いと思います。
多分、そう答える人が多いのは、長らくのデフレ経済の影響ではないかと思います。デフレ経済は基本的に不景気ですから、生産量や販売量が減少して行きます。拡大思考の経営が難しいのがデフレ経済下です。
しかし、デフレ経済下では、売上を維持しているだけで、その売上の価値は上がって行くのが特徴です。
なので、物量戦でレバレッジを仕掛けて行く強者の戦略、第二法則を選ばなくとも、質の差別化で手堅く経営をする弱者の戦略、第一法則さえしていれば、良かったのではないでしょうか。また、ランチェスター戦略=差別化、という認識も広がりました。
しかし、経済環境はデフレからインフレへの大転換をしました。インフレ経済はインフレ率を上回る経営利回りを出さなければ、実質利益が増えたことになりません。弱者の戦略で手堅く現状維持という訳には行かなくなりました。
これからのインフレ経済下では、量と言う投資を掛け続けて行かなければならない第二法則型の経営が、王道になるのではと思います。