ランチェスター経営ジム

岡 漱一郎の
戦略コラム
2018. 10

量のみの経営

ランチェスター戦略の基本中の基本は結果=質×量ですが、当然ながら質が決まってから量の投入ということになります。質は戦略にあたり、量が戦術ということになります。戦略が決まらなければ量の投入が出来ないということです。

質の戦略が決まったとしても、質のレベルが低ければ、その数値は小さな数値となってしまうため、どれだけ戦術量を投入しても掛け算の関係ですから、大きな成果となりません。厳しい言い方をすれば、質が悪ければ投入量すら意味を成さないということです。

しかし、多くの中小企業の現実は質すらありません。ただ漠然と量的仕事をしているだけであり、当然ながら望むべく業績は手に入れることは出来ていません。手に入っているのは戦術作業の効率だけとなり、戦術だけで日々を送っている人達にとっては、作業効率の向上という達成感は得られていると思います。ただ、実行手順とウエイト付けから見ても分かるように、戦術のみの経営で業績を良くすることは出来ません。

戦略という質が無ければ、そのレベルが高くなければ業績は良くならないのです。それを考えるのがランチェスター戦略の本質だと思います。

岡 漱一郎

岡 漱一郎株式会社ハードリング

1962年生。岐阜県大垣市出身、愛知県名古屋市在住。
ランチェスター経営戦略と孫子の兵法を駆使する経営コンサルタント。全国20カ所で毎月勉強会を開催し、指導を受ける経営者は400人を超える。その活動がNHK「クローズアップ現代」で取り上げられ、また建築業界誌「建築知識ビルダーズ」にて「経営戦略ジム」の連載を受け持つ。
また、豊臣秀吉の最初の軍師 竹中半兵衛の家臣(竹中十六騎)、その末裔にあたる。

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