この諺話は小さいことに心を奪われて、全体が見通せないたとえで使われます。経営活動で成功するかしないかの要因は沢山ありますが、その中でも、かなり大きな要因となるのが大局観だと思います。
大局観とは、物事全体に対する見方、形成判断の意味であり、この能力が高くなければ、経営活動において成功することは難しいと思います。
簡単に言えば、目の前しか見ていないか、全体を見ているかの違いです。当然ながら、目の前しか見ていない判断では、経営競争に勝つことは不可能と言えます。それは、全体を捉えた経営は組織全体を使って行う行為になり、競争力が違います。生み出す利益が大きなものになります。
しかし、目の前しか見ていない経営は、組織の一部分しか使わない行為であり、生み出す利益が組織としては小さくなります。競争力は弱く、戦術的経営とも言えます。
全体を見るとは、物事の大枠を捉えている視点であり、目の前しか見ていない判断とは時として、逆の判断になることが相応にして起こります。意見の対立などは、このような時に起こりやすいと思います。
どんな組織も、組織の利益を最大限に生み出すために、それぞれが役目と役割を担当して活動をします。やはりその視点から組織という森を見ることが、本質的ではないでしょうか。