ランチェスター経営ジム

岡 漱一郎の
戦略コラム
2023. 11

木を見て森を見ず

この諺話は小さいことに心を奪われて、全体が見通せないたとえで使われます。経営活動で成功するかしないかの要因は沢山ありますが、その中でも、かなり大きな要因となるのが大局観だと思います。

大局観とは、物事全体に対する見方、形成判断の意味であり、この能力が高くなければ、経営活動において成功することは難しいと思います。

簡単に言えば、目の前しか見ていないか、全体を見ているかの違いです。当然ながら、目の前しか見ていない判断では、経営競争に勝つことは不可能と言えます。それは、全体を捉えた経営は組織全体を使って行う行為になり、競争力が違います。生み出す利益が大きなものになります。

しかし、目の前しか見ていない経営は、組織の一部分しか使わない行為であり、生み出す利益が組織としては小さくなります。競争力は弱く、戦術的経営とも言えます。

全体を見るとは、物事の大枠を捉えている視点であり、目の前しか見ていない判断とは時として、逆の判断になることが相応にして起こります。意見の対立などは、このような時に起こりやすいと思います。

どんな組織も、組織の利益を最大限に生み出すために、それぞれが役目と役割を担当して活動をします。やはりその視点から組織という森を見ることが、本質的ではないでしょうか。

岡 漱一郎

岡 漱一郎株式会社ハードリング

1962年生。岐阜県大垣市出身、愛知県名古屋市在住。
ランチェスター経営戦略と孫子の兵法を駆使する経営コンサルタント。全国20カ所で毎月勉強会を開催し、指導を受ける経営者は400人を超える。その活動がNHK「クローズアップ現代」で取り上げられ、また建築業界誌「建築知識ビルダーズ」にて「経営戦略ジム」の連載を受け持つ。
また、豊臣秀吉の最初の軍師 竹中半兵衛の家臣(竹中十六騎)、その末裔にあたる。

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