本格的なインフレ経済になってきたようです。 インフレとは物価が上がることです。 日本は30年にわたり、デフレ経済を続けてきました。 このコラムを読んでいる方の 多くは、社会に出た時にはすでに、デフレが始まっており、インフレ経済の経験が無いと思います。
そのため常に、原価を意識したコスト経営が思考の主軸になっていたかと思います。 「安くしないと売れない、競合相手が安くするから我社も安くする、安くしないとお客様が離れる、値段を上げると元請けからの仕事が来なくなる」、このような意識の中で 数十年を過ごして来たかと思います。
しかし今は、海外からの物価圧力により、輸入材が全て大幅な価格上昇を起こしています。原材料の多くを輸入に頼る日本では、この価格が大幅に上昇すると、コストダウン経営が難しくなります。
既に輸入物価指数は、前年対比で150%を超える上げ幅を続けており結果、日本の原材料メーカーは軒並み値上げに走りました。それに伴い中間業者も追随して値上げをしている状況です。
私たち中小企業は、原価が軒並み値上がりする中で、末端の販売価格が上げられずにいる会社が、まだまだ大半です。
しかしこれは、いずれ時間の問題です。末端の販売価格を上げなければ、粗利率は ますます悪化をして行きます。 当然、赤字となり最悪は倒産です。
デフレ経済しか経験をしたことのない皆さんは、デフレのトラウマに罹っています。デフレのトラウマとは、「値段を上げると お客様が減る」 という トラウマです。値上げを容認する市場のマインドは既に、整いつつあるのに・・・
2022年は、このトラウマを脱却した人が勝者となるでしょう。日本の将来にとっても 値下げは悪、値上げは善なのです。