サイセンタン(最先端)、人はこのフレーズに弱いです。そして常に最先端なものを追い求める人達がいます。
経営のシーンで見ると、最先端=利益を先駆けて生むもの、と捉えられています。または、経営競争に勝つ武器とも捉えられます。
けれど最先端は、次なる最先端が出た途端に用済みとなります。経営の中心に最先端を据えると短期間に収益を生みますが、しかしそれは短期間で終わってしまいます。
なので最先端を追っかけている人達は、次なる最先端に乗り換えて行きます。しかし、それを繰り返し対応できるのは、そんなに長くは出来ません。
何故なら、人間には老いがやって来るからです。ネット上を観ればわかります。ネット上には最先端技術や最先端ノウハウをウリにして糧としている人達が沢山います。
しかし正直、どれも同質化しているものばかりです。同質化したものを誰から買うでしょうか。最先端と言われる技術やノウハウを年寄りから買おうと思う人は少ないと思います。
年寄りから買いたいものは、本質的なものではないでしょうか。経営活動において本質的なモノとは、不変で哲学的価値を持ったものだと思います。これらは、若輩者では伝わりません。
しかし、この本質的価値を経営の中心に据えるには、若輩者の時から始めないと間に合わないのです。若輩者の時に最先端の技術やノウハウばかり追いかけていると、気付いた時には年寄りになっています。
まさに、お払い箱になってしまうのです。
※お払い箱
(1)使用人をやめさせられる。解雇される。首になる。「技術革新についていけなくて、50歳以上の社員はお払い箱さ」
(2)いらなくなった物が捨てられる。「長年使ったこの机も、転居でお払い箱です」
〔語源〕「お払い箱」は、もと「お祓(はら)い箱」で、伊勢神宮のお祓いの札を入れておく箱のこと。毎年、新しいお札が来て、古いお札を取り換えたことから。「お祓い」を「お払い」にかけて転じたもの。
本来、最先端を追いかけている暇など、無いはずなのです。