これは、昔から言われ続けられた言葉です。ただ、この言葉は、「算盤だけでは飯は食えない」という意味も含まれていると思います。ここで言う算盤とは、経営知識を指します。
大事なのは、経営には両方必要だということです。但し、優先順位があり、経営を始める者、「先ず算盤を覚えるべし!」と自分は思います。
これは自分の経験値ですが、過去、経営理念しかない経営者は、業績の悪い人が多かったように思います。逆に経営理念は無いのですが、算盤が出来る経営者で業績の悪い経営者は殆どいませんでした。
当然ながら、両方を兼ね備えた経営者が好業績を上げて行きます。ただ彼らも、最初から両方を兼ね備えていたわけではありません。
しかし、経営理念を先行した経営者は一度や二度、経営の危機に見舞われています。一方で、算盤先行型の経営者は、そのような危機的状況に見舞われることが殆どありません。
経営知識の乏しい精神論先行型の経営理念経営は、思いと実態の乖離が必ず起こります。実態との乖離とは、業績悪化を指します。経営理念経営の会社が業績悪化を招くと、社内の雰囲気は最悪となります。それは、信者という社員が、教祖に騙されたようなものだからです。
一方で、算盤先行型の会社は日々、淡々と業務をこなしているだけです。ただ、ある一定の規模から成長脱皮をするには、算盤経営だけでは限界があることを経営者は気付きだすのです。そこで初めて経営理念が生まれてきます。
世の中には、経営理念が一番大事だという声はよく聞こえて来ます。間違ってはいないと思うのですが、一番にやるべきことではないと思います。