労働時間と業績の相関関係は無いと私は考えています。何故なら、多くの中小企業を見てきましたが、労働時間の長い中小企業ほど業績が悪いと言う実態を見てきたからです。
その原因は経営の中に強いモノを持っていない会社は、全てにおいて不利な条件で契約や物を販売し、その不利という生産性の低さを補うために労働時間を長くして補っているからです。
例えば営業の場面で見ても明らかです。強いモノを持っていない会社の営業マンは、その弱さ・不利をカバーするために、お客との接触頻度を多く持たなければなりません。勝率の悪い、値引き覚悟の相見積を他社より多く出さなくてはなりません。
その結果、効率の悪さから残業を他社より多くしなければなりません。製造業や小売業は利益率の悪さを数でカバーする経営になる為、より多くの時間を要します。
このような状態が続くとクオリティー(品質)も落ちてくるため、より不利な状況となっていきます。
それでも営業の現場、生産の現場は忙しいのです。生産性が悪いから忙しいのです。朝から晩まで働いても儲かることはありません。社員は限界に来ているので社長に対して「もうこれ以上は無理です!」と訴えます。
最後はその忙しさだけをカバーするために社員を増やし、悪循環となっていきます。これが中小企業の長時間労働の正体です。
くれぐれも小手先対応に走らないように。