ランチェスター経営ジム

岡 漱一郎の
戦略コラム
2025. 10

活況な時代に遭遇した世代は

初めて社会に出た時(就職時)の価値観が、その後の生き方の価値観になると思います。例えば、バブリーな時代(1986~1991)に就職した人達は現在、56~61歳、この世代は就職時に「内定書が紙吹雪のようにやって来る」と言われたくらい、何の苦労もなく大手企業に大量就職をしていきました。現在、この世代の評価は高いとは言えない状況です。

その後、バブルが崩壊し、就職氷河期(1993~2004年)に就職した人達は現在、43~54歳。一番厳しかった2002年には、大卒新卒者の就職率は55.1%と低く、30%の人達は就職すら出来ず、非正規雇用で社会に出て行きました。

バブルが来る前は、70年代のオイルショックの影響が長引く不景気な時代に就職した人達は現在、62~70歳です。

バブリーな時代(1986~1991)に日本で最も人口が多かったのは団塊世代です。現在76~78歳、当時は39~42歳と、社会人として最も活発な時期を過ごしました。バブル崩壊後の20年は敗戦処理に追われました。

実はこの団塊世代、大卒就職時は戦後復興の高度経済成長期のピークの時でした。この世代は二度にわたり、日本経済のピークの恩恵を受けたのです。

世の中が好景気の時に就職した人達と、そうでない人達。社会人となり、最も活発になる年齢の時に、世の中が活況だった人達と、そうでなかった人達。

こうやって見ると、それぞれの価値観は大きく違ってくると思います。活況な時代に遭遇した世代は総じて、自分の実力を勘違いしやすくなるのではないでしょうか。

今はインフレが5年前に復活し、人手不足からくる新卒バブリーの時代です。対象世代は現在、22~27歳、この世代は将来、どんな社会人になるのでしょうか。

岡 漱一郎

岡 漱一郎株式会社ハードリング

1962年生。岐阜県大垣市出身、愛知県名古屋市在住。
ランチェスター経営戦略と孫子の兵法を駆使する経営コンサルタント。全国20カ所で毎月勉強会を開催し、指導を受ける経営者は400人を超える。その活動がNHK「クローズアップ現代」で取り上げられ、また建築業界誌「建築知識ビルダーズ」にて「経営戦略ジム」の連載を受け持つ。
また、豊臣秀吉の最初の軍師 竹中半兵衛の家臣(竹中十六騎)、その末裔にあたる。

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