経済環境は常に循環を繰り返しています。景気不景気などはその典型です。特に大きく影響を与えるのは20年周期のクズネッツ循環です。
日本は四半世紀に及ぶ不景気から転換し、新た好景気の20年周期にアベノミクスを機会に入ってきました。
好景気は全ての企業にとってありがたい環境であることは確かです。ところがこの好景気に乗れない中小企業は多くいます。
この好景気が中小企業の現場にもたらした最も大きな環境変化は、BtoCが主流の経営からBtoB主流の経営に転換したことです。
バブル崩壊後、仕事量が減り、下請け企業は元請けからの発注単価の引き締めにより、業績を急速に悪化させました。
それを機に下請けでは食べていけないという気運が高まり、脱下請けがブームのようになりました。多くの下請け企業が元請け化に向かいました。
元請け化した元下請け企業はそうして不景気を乗り切ってきました。ところが、経済循環により好景気になった途端、下請け企業向けの仕事量が急速に増えて行きました。
結果、元請けが過剰になり、下請けが人手不足、職人不足も相まって下請けバブルのような状況になってきました。
戦術は戦略に沿うが如く、経営活動は経済環境に沿う、なのです。