ランチェスター経営ジム

岡 漱一郎の
戦略コラム
2024. 11

倒産件数が増えてきた

2024年度の倒産件数は、リーマンショックに匹敵する数になるペースで増えています。しかし、巷では話題(ニュース)になっていません。理由は小口倒産ばかりだからです。

誰しも知っている企業か、負債総額が大きな倒産でないと、マスコミはニュースで取り上げません。実は景気に影響を与えるのは、それらの条件なのです。「大企業の大型倒産!」、これらが続けば、市場のマインドは明らかに冷え込みます。

厳しい言い方ですが、今の倒産は「淘汰の倒産」「受給バランス改善倒産」だと自分は考えています。

いつの時代も、真っ当な経営をしている会社の足を引っ張っているのは、真っ当でない経営をしている会社です。

やるべきことをやっている真っ当な会社に対して、やってはいけないことばかりやっている会社が市場を乱しているのです。

そんな会社も今までは、デフレに助けられてきました。デフレの経済環境下では、薄利多売で何とか延命が出来たのです。借金も超低金利時代が続いたので、ゾンビ企業が大量に生まれました。
※ゾンビ企業 経営が破綻しているにもかかわらず、金融機関や政府機関の支援によって存続している企業のこと。

※ゾンビ企業 経営が破綻しているにもかかわらず、金融機関や政府機関の支援によって存続している企業のこと。

今、やってはいけないことばかりやってきた会社の淘汰が始まったのです。デフレからインフレになり、原価が上がってきたことによって、安売りが出来なくなりました。「金利のある世界」が帰ってきて、返済困難になってきました。元々、業績が悪いため、求人難は元より、離職も増えました。

これらの要因によって、小零細企業の小口倒産が急増しています。自分は、真っ当な経営をしている会社の社長を応援したいと思います。

岡 漱一郎

岡 漱一郎株式会社ハードリング

1962年生。岐阜県大垣市出身、愛知県名古屋市在住。
ランチェスター経営戦略と孫子の兵法を駆使する経営コンサルタント。全国20カ所で毎月勉強会を開催し、指導を受ける経営者は400人を超える。その活動がNHK「クローズアップ現代」で取り上げられ、また建築業界誌「建築知識ビルダーズ」にて「経営戦略ジム」の連載を受け持つ。
また、豊臣秀吉の最初の軍師 竹中半兵衛の家臣(竹中十六騎)、その末裔にあたる。

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